ハーブの精油とは!を改めて考えてみる(^^)♭

ナチュラルな精油は、「香りたつ心」、植物のエッセンスであり、植物の性質、治癒力を丸ごと私たちに与えてくれます。


ハーブの精油

  〜植物からのメッセージ〜

ハーブの精油とは、あらゆる植物が光合成をして作り、蒸留して採取した揮発性のオイルで精油のことです。精油は香りがしますが、べとべとはしていません。そして植物の種類によって、精油の原料となるエッセンスは、根・葉・花と異なった場所に蓄えられています。 まず何も考えずに、感覚で植物に触れてみましょう。注意深く香りを嗅ぎその香りを飲み干してみてください、そして通り過ぎる風に身を任せてみるのもいいです、こういった体験から得た印象から、精油の香りがすべての被造物に向けての植物のメッセージであることがわかります。植物は皆まわりに香りを放ってます。デリケートな香り成分を体の外に出して、周囲の自然に伝えたいと願っているからかも知れません。植物の香りは、すべての生き物に向けられたメッセージであり、細胞の中まで浸透します。きっと好きな香りは頻繁に嗅ぐけれど、嫌いな香りはあまり嗅ぐことはないでしょう。知らず知らず、好きな香りとともにその植物からのメッセージを選んでいるのです。


植物精油

 〜そのホルモンに似た性質〜

ハーブの精油はホルモンに似た生理的作用を持っているため、人間や動物、他の植物の中に入り込んで刺激を与えます。エッセンスの放つ香りは」、それぞれのエッセンスの性質に応じた固有の構造をもつ小さな分子でできています。動物や人間がこの香り分子を吸入したり、皮膚から体液循環の中に吸収したりすると、分子は体内の新陳代謝と「平滑筋」(自分の意思で自由に動かせない筋肉)に特定の変化を与えると言われています。




ハーブ精油の効用

ハーブの精油は、私たち人間の体にとてもよく馴染みますが、それはその包括的な効き目のせいです。精油は、人体固有のホルモンの分泌を刺激することで、身体の新陳代謝に影響し、変化を与えると言われています。しかし、内分泌腺やホルモン分泌組織の働きと同じく、ホルモンそのものの代りをすることはできません。したがって、依存症の心配はなく、正しく使えば副作用もありません。精油は神経系を刺激することにより、私たちの精神生活や感情を活発にします。精油の性質により異なりますが、活発にしたり、リラックスさせたり、気持ちを落ち着かせたりする効果があります。精油に特有の香りは、臭覚から脳内の別の中枢神経を刺激し、集中力や思考力、ひらめきといった精油の能力を高めます。

精油のこのような働きが、私たちの人体組織の中で連鎖反応のように広がっていく様子を説明します。   ↓


香りは脳で嗅ぐ

 〜脳と臭覚〜

精油の香り成分が最初に接触する器官は鼻です。しかし鼻は受け取った情報を読み取る臭覚系の「尖兵」にすぎません。私たちは本当は鼻ではなく、脳で匂いを嗅いでいるのです。
すべての香り成分は、それぞれ特徴のある分子の振動を放っています。その振動は私たちが香りを吸引したときに、脳神経の受容体、すなわち「受信局」へ伝えられます。その結果、脳内でいわゆる「神経反応」、及び「神経分泌」が引き起こされます。これらは人体組織全体に、肉体的にも精神的にも影響を与えます。「神経分泌」が刺激されると、中枢神経系や自律神経系の神経末端におけるホルモンの分泌が促され、さらに内分泌腺との協調作用も改善されます。私たちの意思は、人体固有のホルモン分泌やそれに依存している神経の状態、つまり内臓筋の緊張や気分といったものに対して、影響を及ぼすことができません。そこで、精油が非常に役に立つのです。精油はどれもそれぞれ固有の振動を私たちに伝えます。

例えば、内面的な緊張から心臓循環系の動脈血管筋が収縮し、動脈の血圧が上昇しているとします。このような時はリラックス効果のある精油を用いることによって、緊張を和らげることができます。リラックス効果のある精油は、神経系を落ち着かせ、筋肉をリラックスさせ、心地よさをもたらす脳内ホルモンの分泌を盛んにします。逆に内面的に過度にリラックスしていて、倦怠感やむ気力、低血圧などに悩まされているようなときには、活性効果のある精油を用います。このオイルは私たちに「生命をふきこむ」ホルモンの分泌を促します。

このように精油を正しく用いることで、人体組織全体、すなわち内臓の筋肉組織、呼吸、一般的な内的緊張状態、心理状態そして精神的な能力といったものを変化、調節できるのです。


男性ホルモンと女性ホルモン

 〜生命の源〜

人体組織の「機能」をコントロールする数多くのホルモンの中でも、性ホルモンは重要な働きをしています。男性ホルモン(アンドロゲン)と女性ホルモン(エストロゲン)はそれぞれ、男性的性質、女性的性質の形成に獲わります。ただし、男性の身体にはアンドロゲンだけ、女性の身体にはエストロゲンだけしかないということではありません。人間は皆、男性、女性両方の性ホルモンをもっており、しかもその割合は一人一人異なっています。性ホルモンの量と割合は、あらゆる現象に影響を及ぼし、性格の「男らしさ」や「女らしさ」を決定します。さらに性ホルモンは、新陳代謝にとっても重要な意味を持っています。人体組織の細胞、組織、器官が分解代謝(アンドロゲン効果)と合成代謝(エストロゲン効果))のどちらを行うのかを決定するのは性ホルモンです。エストロゲンの合成効果は、細胞の摂取能力を高めます。血液と組織液からの栄養素の吸収が盛んになり、人体組織の重さと中身が増加します。逆に、アンドロゲンの分解効果は、分解代謝を促します。細胞や組織からの分泌が盛んになり、人体組織の重さと中身が減少します。


男性的精油と女性的精油

精油にも男性、女性両方の性格がありますが、常にどちらか一方の性格がもう一方を上回っており、それぞれ「男性的」な性格の精油と「女性的」な性格の精油があります。


タイム・レモン・サンダルウッドなどの男性的な性格の強いハーブの精油は、男性ホルモンの働きを助けます。分解代謝や細胞や組織の分泌作用を促進し、器官の平滑筋を収縮させます。これらの精油は、このように引締め、固め、形作る働きをします。一般的に、思考の集中や感情のコントロールを促し、刺激的で活発にする効果があります。香りには酸味があり、シャープな味がします。また肌に触れるとひりひりと焼けるような感じがします。

オレンジ・セージなどの、女性的な性格の強い精油は、女性ホルモンの働きを助けます。合成代謝を促し、細胞と組織の摂取能力(吸収)を高め「平滑筋」をリラックスさせます。これらの精油は心を開き、心身ともにリラックスさせて落ち着かせ、感情生活を目覚めさせる働きをします。香りには甘みがあり、マイルドなのに苦い味がします。また肌を冷やしてリラックスさせます。

男性的な特徴も女性的な特徴も、ともに人間のもつあらゆる面に存在し、お互いに絶え間なく入れ替わっています。身体面では、筋肉の緊張と仕事が、筋肉のリラックスと休養に入れ替わります。心理面では、表面性と感情の深み、感情の貧しさと感受性の豊かさの間を、私たちは揺れ動きます。そして、精神面では、集中、指向性と、傾倒、無目的性が交互に表れます。ですから男性の場合も女性の場合も、男性、女性両方の特徴が結びついてはじめて真に健康であるといえるのです。精油の本質を引き出すことにより、男性性と女性性の包括を実現することができます。




以上 ハーバルエッセンスセラピーより


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